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英雄、人間、賢者の一人

 

「そこ、通ります。圧死にご注意を」


この世に突如として現れた救世主の一人
『誰にも認識されない世界で生まれ、生きてきた。その者はいつも皆の傍にあり、闘っていた』
七賢者で唯一存在していたかどうか明白でない存在
頭身が一瞬にして無限に伸び、山を真っ二つにする程の力を持つ魔剣、稲妻の剣、カラドボルグを持ち、あらゆる障害を無に帰してきた。

主にあらゆる障害を打ち消す力を持つ

夢もなく、目標もなく、課題もない故に障害が存在しない者、彼曰く、障害は作らないらしい。障害を否定し、面倒事を避ける。だがこれは七賢者のリーダーが放った言葉であり他の七賢者に聞いても、一言、わからないで終わる。
リーダー以外だれも見たことがないらしい。





俺は生まれながらにして誰からも認識されていなかった。だが確かに俺はそこにいた。なのに

まるで幽霊にでもなったかのように通る人々が俺の体をすり抜けていく。話しかけても反応を示さない。物を動かそうとしても触れることができず、空を切る。
途方に暮れて3年。

俺はこのまま誰からも認識されずに死ぬのだろうかと思った。

 



俺を見ている者がいる。奴の身長ほどあるでかい剣のようなものを携えていた。隣には女性らしき人、この人も剣を持ってる。しかし彼女の目線は俺を捕えていなかった。
しかしでかい剣を持っている奴は違った。長い前髪で顔はよく見えないが確実にこちらを捕えていた。
その者はゆっくりとこちらに近づいてくる。終始奴の目は俺を捉えたまま離さなかった。俺もまた、奴から目線を外さなかった。

「どうしたんですか?」女性がそう言う。やはり彼女は俺に気づいていないようだ。
「面白い奴をみつけた・・・・なるほど、自身の力によってこことは少しズレた空間に迷い込んだってことか。」
何を言っている?面白い?俺の力が?

「俺が見えるのか?」
「ああ、見えるさ。」

まともに話したのはいつぶりだろうか…
でかい剣を持った者は声からして男だろう。なぜだか彼と話すと気分が安らぐ。

「俺と一緒に来ないか。」

彼はただそういって手を差し伸べた。
彼にならおれがこうなってしまった原因を突き止めてくれる。そう思った。彼について行こうと確信した。

手を取ると彼は静かに笑った。

 

あれ?彼に触れる・・・?

俺の手は確実に彼の手を捉えていた・・・

「俺はデュランダル。聖剣に選ばれた男だ。共に勝利をつかもう。」

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